
Adams & Westlake(アダムス&ウェストレイク)とは?
今回ご紹介するのは、アメリカ・シカゴのAdams & Westlake Company(アダムス&ウェストレイク社)が製造したレイルロードランタン「The Adams(ジ・アダムス)」です。
Adams & Westlakeは、「Adlake(アドレイク)」の名前でも知られる鉄道用品の大手メーカーです。会社としては1857年創業を名乗っていますが、ジョン・マクレガー・アダムスとウィリアム・ウェストレイクが手を組み、「Adams & Westlake」の名前が生まれたのは1874年のこと。シカゴ大火からの復興と、西へ延びていく鉄道網の拡大とともに成長しました。
1927年には本拠地をシカゴからインディアナ州エルクハートへ移し、現在も同地で事業を続けています。
レイルロードランタンは、鉄道員が夜間の合図や点検に使った手持ちの灯油ランタンです。Adams & Westlakeの背の高いグローブを使うランタンの中で、特に数多く作られたのが「The Adams」と、その後継の「Reliable(リライアブル)」でした。

1880年代末から第一次世界大戦ごろまで
アメリカの鉄道ランタン研究サイト「Railroadiana Online」によると、The Adamsは1880年代の終わりから第一次世界大戦のころまで製造されました。
長く作られたモデルのため、縦フレームが平板か丸線か、タンクが差し込み式かひねって外すツイストオフ式か、底の形はどうかなど、細かな違いを持つ個体がたくさんあります。「The Adams」は1つの型というより、時代とともに少しずつ形を変えていった「ファミリー」と言えるモデルです。後期の個体には、後継のReliableに近い形の底を持つ「過渡期」のものも見られます。

目印は蜂の巣のような「ビーハイブ」トップ
どの時期のThe Adamsにも共通するのが、段々に重なった蜂の巣のような形のトップ(煙の出口)です。コレクターの間では「ビーハイブ(beehive)」と呼ばれ、The Adamsを見分けるいちばんのポイントになっています。
トップには「THE ADAMS & WESTLAKE COMPANY」「THE “ADAMS”」「CHICAGO」の文字と、鉄道会社名「N.Y.N.H.&H.R.R.」が打ち出されています。

ニューヨーク・ニューヘイブン&ハートフォード鉄道
N.Y.N.H.&H.R.R.は、ニューヨークとニューイングランド地方を結んでいたNew York, New Haven and Hartford Railroad(ニューヨーク・ニューヘイブン&ハートフォード鉄道)の略称です。
トップだけでなく、グローブにも同じ鉄道名のエンボスが入っています。割れやすいグローブまで同じ鉄道名でそろっている点は、大きな見どころです。

分解して分かる構造
トップは蝶番で開き、グローブを上から出し入れします。タンク(オイルポット)は下から差し込むタイプで、分解するとフレーム、トップ、グローブ、タンク、バーナーに分かれます。


こんなThe Adamsもあります(過去の取り扱い品より)
キャンプキングダムでは、これまでにも複数のThe Adamsを取り扱ってきました。その中から、特徴のある2台をご紹介します。
裾が広がったベルボトム型|C.C.C.&St.L.Ry.
底が釣り鐘のように広がった「ベルボトム」型のThe Adamsです。Railroadiana Onlineでも、ベルボトムの台がフレームと一体になったThe Adamsが紹介されており、同じモデルの中でも珍しい形です。

トップとグローブには「C.C.C.&St.L.Ry.」の刻印があります。オハイオ州クリーブランドからシンシナティ、シカゴ、ミズーリ州セントルイスを結んでいたCleveland, Cincinnati, Chicago and St. Louis Railwayのものです。

バーナーのつまみには、同じセントルイスのランタンメーカー「Handlan」の刻印が入っていました。


5桁の番号入り|S.P.Co.(サザン・パシフィック)
こちらは「S.P.Co.」の刻印が入った、Southern Pacific(サザン・パシフィック)鉄道のThe Adamsです。

トップの縁には「33956」という5桁の番号が打たれています。鉄道会社が備品を管理するために入れた番号と考えられ、実際に現場で使われていた道具であることが伝わってきます。

店主のひとこと
The Adamsは、本国アメリカでもきれいな個体にはめったにお目にかかれません。特にガラスのグローブは、割れずに残り、鉄道名のエンボスまでくっきり入っているものが少なく、このデザインに惹かれるコレクターも多い部分です。
同じモデルでも、鉄道会社ごとに刻印が違ったり、会社ごとの仕様で細かな作りが違ったりします。そうした違いを見つけながら集めていくのが、レイルロードランタン収集のいちばんの楽しみ方だと思います。
まとめ
Adams & Westlakeの「The Adams」は、1880年代末から第一次世界大戦のころまで作られた、Adlakeを代表するレイルロードランタンです。
蜂の巣のようなビーハイブトップという共通の目印を持ちながら、フレームやタンク、底の形は時代によって少しずつ変化していきました。鉄道会社の刻印や、ベルボトム、番号入りといった個体ごとの違いを見比べられるのも、The Adamsを集める楽しさです。後継のReliableや、同じ時代のArmspear 1897年特許モデルと並べてみると、アメリカの鉄道ランタンの移り変わりがよく分かります。
キャンプキングダムでは、アメリカ製のレイルロードランタンも取り扱っています。

