
Dietz Boyとは?
今回ご紹介するのは、Dietz Boy(デイツ・ボーイ)です。
Dietz Boyは、アメリカのR.E. Dietz社が1890〜1908年頃に製造した小型のスケーターズランタンです。
小ぶりな真鍮製ボディと専用グローブを備え、後に登場するDietz SCOUTやSPORTへつながるモデルとして知られています。

製造年代は1890〜1908年頃
Dietz Boyの製造年代は、1890〜1908年頃とされています。
1894年のDietzカタログでは、同社の小型ランタン「Baby」と並んで掲載されており、「Racketと似た構造で、それより小さいモデル」と説明されています。
資料では1908年に製造を終了。その後、第一次世界大戦後にSCOUT、1923年頃にはSPORTが登場し、小型スケーターズランタンの系譜が受け継がれていきます。
小型のオールブラス仕様
今回の個体は、本体が真鍮で作られたオールブラス仕様です。
Boyはデッドフレーム式と呼ばれる構造を採用しています。デッドフレーム式とは、燃焼後の空気を再循環させない比較的シンプルな方式です。
高さはハンドルを含めて約27cm、ハンドルを除く本体部分は約14cm。直径も約8cmと小さく、名前のとおりコンパクトにまとめられています。
分解して分かる各部の構造
分解すると、フレーム付きタンク、グローブ、上部カバー、バーナーに分かれます。小型の本体に各部品がコンパクトに収められていることが分かります。

タンク上面の刻印
タンク上面には、「DIETZ U.S.A.」「BOY」「NEW YORK」の文字が大きく打ち出されています。モデル名と製造元を確認できる、重要な識別ポイントです。

CONVEXバーナーと芯調整ノブ
バーナー部分には「CONVEX」「DIETZ」の刻印が確認できます。芯調整ノブにも放射状の意匠が入り、実用品でありながら細部まで作り込まれています。

点灯時の様子
実際に点灯すると、小さなボディの中央に炎が収まります。圧力式ランタンではなく、平芯に燃料を吸い上げて燃焼させるシンプルな灯油ランタンです。


上部カバーには通気孔が並び、底面は平らな円形です。真上と底面から見ることで、Boyのコンパクトな構造がより分かりやすくなります。

「DIETZ BOY」エンボス入りグローブ
Boyを識別するうえで重要なのが、専用サイズのグローブです。
今回の個体には、「DIETZ BOY NEW YORK U.S.A.」というエンボスが確認できます。100年以上前のランタンではグローブが交換されている場合も多いため、モデル名入りの専用グローブが残っている点は大きな見どころです。

ホヤ単体で見ると、上部のくびれ付近にエンボスが配置されていることが分かります。反対側には目立った文字は確認できません。
SCOUT・SPORTへつながるモデル
Dietz Boyは、後年のSCOUTやSPORTによく似た小型デッドフレームランタンです。
Boyの製造終了後には一時的な空白期間があり、第一次世界大戦後にSCOUTが登場。その後、1923年頃に製造工程を合理化したSPORTへ交代したとされています。
SCOUTやSPORTのルーツをたどるうえでも、Boyは重要な位置にあるモデルといえます。
まとめ
Dietz Boyは、1890〜1908年頃に製造された真鍮製スケーターズランタンです。
小型のオールブラスボディ、専用のモデル名入りグローブ、後のSCOUTやSPORTへつながる構造が見どころ。製造終了から100年以上が経過した現在、Dietzの小型ランタン史を伝える興味深いモデルです。

